くり爺です。
新企画 体操選手のケガ・痛みに関する基本調査の2回目は「ジムナストの身体の痛い部位」を報告します。調査の背景や目的はこちらをご覧ください。
体操選手はココが痛い!
中学生から大学生のジムナスト50人を対象とした基本調査の最初の設問では「体操をしていて、身体の痛みを感じることがありますか?」と聞きました。今回はそのうち、下に図を参考に痛い部位を複数回答で調査しました。
ジムナストの身体:痛い部位
気になる調査結果は以下の表のようになりました。実際の調査では左右の部位を別々に回答してもらいましたが、右だけ、左だけ、両方痛いという選手もいたので、今回はすべてまとめて表記しました。結果、調査委対象部位は22ヶ所で、回答の多い順に並べ変えランキング形式でまとめました。
痛い部位4天王!
結果の表を見ると、腰、肩、手首、足首という4つの部位が性別に限らずブッチギリで上位に君臨しています。ジムクリではこの腰、肩、手首、足首を痛い部位の「四天王」と呼ぶことにします。
ただし、それぞれ男女のランキングに微妙に差が見られますね。例えば、男性は上肢を使用する種目が多いからか、トップは肩でその次は手首で約7割前後のジムナストが痛みを感じていて、続いて腰。その他は肘、足首、首、大腿となっています。一方、女性ではランキング1位の腰部に6割の選手が腰に痛みを感じていて、その他の部位は男性に比べて広範囲にわたっているようですね。やはり男性6種目女性4種目という競技種目の違いが影響しているのかもしれません。
ジムナストの痛い部位の数?
今回の調査結果で分かったことは、ジムナストは痛みを感じるところは一つではなくて、一人の選手が痛いと感じている部位は男女変わらず平均で約9ヶ所ということもわかりました。
身体の部位はみんな繋がったいるなんて話をどこかで聞いたことがありますが、あっちもこっちも、どこもかしこも痛いらしい結果にはちょっと驚きですね。このことについてはさらなる検証が必要です。
ご注意
最後に、今回の結果に驚かれた皆さんもいると思いますが、痛みにもいろいろな程度があって、ちょっと気になる痛みから、日常生活が難しくすぐにでも安静と治療が必要なレベルまで様々です。今回の調査はほぼ毎日のように練習している選手たちの生の声として参考程度にご理解ください。実際には痛みは気にはなるものの工夫して練習ができているものとして、指導者による強制・虐待であったり、行きすぎた指導によるものではないことを付記しておきます。ジムクリではこれからもジムナストの安全と健康のために何が出来るかを考えていきます。今回の調査はそのための基礎資料となれば幸いです。
では、また。