データ

身体が痛いジムナストの割合[基本調査報告1]

くり爺です。
新企画 体操選手のケガ・痛みに関する基本調査の1回目は「身体が痛いジムナストの割合」を報告します。調査の背景や目的は前回記事をご覧ください。

[学校別]身体が痛いジムナストの割合

中学生から大学生のジムナスト50人を対象とした基本調査の最初の設問では「体操をしていて、身体の痛みを感じることがありますか?」と聞きました。その結果、中学生は66.7%のジムナストが「痛みを感じる」と回答し、高校生では73.7%のジムナストが何らかの身体の痛みを感じながら練習をしていました。そして、なんと大学生ジムナストはすべての回答者が「痛みを感じる」と回答して、痛みを感じながら競技に取り組んでいることがわかりました。

私の経験からして大学生の調査結果はうすうす想像はしていましたが、若い中学生も半数以上の選手が「身体の痛みを感じている。」というのにはビックリです。

[競技年数別]身体が痛いジムナストの割合

次に競技年数別にくわしく見ていきましょう。今回はざっくりと①体操を始めてから5年未満のジムナスト、②5年以上10年未満、③10年以上15年未満、④15年以上の4つの区分で集計してみました。集計結果は下記グラフのように①5年未満のジムナストは62.5%のジムナストが身体に何らかの痛みを感じていて、②5年以上10年未満では75.0%、そして、③10年以上15年未満、④15年以上では100%のジムナストが身体に痛みを感じながら練習に取り組んでいるようです。

つまり、体操競技は競技歴5年未満の初心者であっても6割を超える選手が何かしら身体的な痛みを感じていて、続ければ続けるほどその状態は酷くなる?という悲惨な様子がわかりました。今回の調査は(調査対象を継続的に追跡調査するような)縦断的な調査ではないので断言はできませんが、体操競技選手の身体的な痛みは、始めた頃は大変だけど、続けていけば楽になるという話ではなく、最初から何かしら身体的な痛みがあり、やればやるほど身体を壊していく可能性があることが想像できます。これでは競技を続けていくこと自体とても大変。この実態は体操に限らず、競技的なスポーツの特徴かもしれませんが、この問題をどのように解決していくか、指導者のみならず喫緊の課題といえるのではないでしょうか。

うーむ。今回はここまで。

ABOUT ME
くり爺
ジムクリ管理人のくり爺です。 昔は体操を頑張ってやっておったが、今じゃ単なる体操ファンじゃ。一生懸命頑張る体操選手を応援する取り組みを考えては見たものの、若い力が必要じゃな。頼むぞ。若人よ。

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